中山智幸/ありったけの話 中山智幸さんの「ありったけの話」を読み終わりました。単行本の表紙。内容は、いっそ命に関わる病気だったらよかったのに――6年前に別れた恋人・静佳にはある事情があった。彼女を一度は受け入れると決めたのに、突き放す形になってしまった過去。ユキヒロはその謝罪をしたいと思っているが、なかなか一歩を踏み出せないでいる。そんなユキヒロのところに、父親を雪山の事故で亡くした甥っ子の葎が預けられることに。葎との生活のなかで、少しずつ前へ進み始めたユキヒロは、静佳に手紙を書こうとするが――2008年『空で歌う』が芥川賞候補となった期待の新鋭、初の書き下ろし長編。感想としては、正直良い評価でないので本作を読もうと思ってる方はスルーして下さい。最初の見出しとしては心踊ったんだけど、一番、魅かれた甥っ子の奇行(父親が亡くなって寝ている最中に起き出してきて冷蔵庫の前で数時間坐って待つ)の解決や妥協点などが無いのが残念。主人公と彼女にスポットが当たってるから仕方が無いんだろうけど、出だしが甥っ子の夢遊病(?)から始まってるのに、最後は「よし、決心がついた。から、彼女に会いに行こう」って!!!なんやもー。どことなく、心温まる部分もあるんだけど、全体として「あっそ」って素っ気ない気分に私はなりました。なんだろうね、単純に会わなかっただけかな?中山さんの本、他のも見つけたら読んでみよう。 PR